2017年の発売以来、国産SUVの中でも高い人気を誇るマツダ・CX-8。
自分でも、家族でも、シチュエーションを選ばず楽しいドライブを提供してくれる車です。
そんなCX-8ですが、何度か不具合が発生しています。
それに追随し、メーカーからのリコールが出ているようですので、ご紹介します。
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マツダCX-8の不具合報告はどんな感じ?
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/interior/
自動車は、日本で最もよく見る工業製品の1つです。
また、高性能・高機能化に伴って、制作工程や部品点数もどんどん増えています。
現在車に使われている部品数は、少なく見積もっても3万個を超えるそうです。
この3万を超えるパーツを、機械と人の手で組み立てることで車が完成します。
ある程度人力も加わる上に機械といえど完璧ではありませんから、この過程で何らかの問題が生じることがごくまれにあります。
そういった「組み立て工程時の問題」を気付かずに放置していた場合、問題のある組み立て工程を完了した車が出荷されてしまいます。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/functionality/
そういった車は最初こそしっかり走ってくれるかもしれませんが、いつかどこかでトラブルを引き起こすかもしれません。
10年近く乗ってのトラブルであれば痙攣劣化も考えられますが、例えば数か月乗って急に車の動きが悪くなったり異音がしてきた場合は、そういった工場出荷時の問題を疑ってもよいと思います。
ガレージや駐車場で気付ければラッキーですが、万が一走行中に大きなトラブルを発生させてしまうと、大きな事故につながる可能性もあります。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/safety/
そういった情報は、数年前であればメーカーやディーラーからの連絡でしか知る手段がありませんでしたが、現在は「みんカラ」や「価格.com」といった口コミサイトで投稿されるようになりました。
そのようなサイトを見る限りでは、現在「事故につながるかもしれない不具合」は見つかっていないようです。
もちろんリコールがないわけではないのですが、特定の車だけ奇怪な不具合がするといった事案は報告されておらず、いたとしても塗装の不具合や形状による仕方のない部分など、事故につながらないものばかりでした。
マツダCX-8のリコールの情報を知りたい!
ここからは「リコール」についてご紹介します。
リコールといえば「車にトラブルが見つかり、ディーラーで無料修理を受けること」くらいはご存知の方も多いと思います。
何か大きなリコールが発覚すれば、ニュースや新聞でも取り上げられますしね。
厳密にリコールを定義するのであれば「欠陥製品を生産者が公表し、製品をいったん回収して無料で修理すること」です。
なので、リコール案件のトラブルを放置してそのまま乗っていた場合、極めて重大な事故につながる可能性が高いわけです。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/driving/skyactiv/
また、リコールにはその重要度の度合いに応じて段階があります。
事故に関係ないパーツ・機能で品質や商品性の改善措置が必要な場合には「サービスキャンペーン」を呼びかけます。
直接事故の引き金になる可能性は低いものの、不具合が発生した場合にユーザーに何らかの不利益が生じつ可能性がある場合には「改善対策」を呼びかけます。
そして、放置した場合に事故に直結する可能性が高い、もっと言えば「自動車の保安基準に適合していない」もしくは「適合しなくなる可能性が高い」不具合に対しては「リコール」を呼びかけます。
この中で「リコール」「改善対策」に該当する場合は、ディーラーからの連絡を待って修理や点検に行きましょう。
何度も言いますが「放置すると極めて重大な事故に直結する」不具合なので、リコールが出た場合は早急に修理しなければなりません。
平成30年11月8日のリコール
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/driving/skyactiv-vd/
不具合箇所:エンジン
状況:エンジンの吸気側バルブスプリングにおいて、スプリング荷重の設定が不適切なため、吸気バルブの閉じ力が弱く、吸気バルブとバルブシート間に挟まる煤を押し潰すことができず、圧縮不良となることがあります。そのため、エンジン回転が不安定になり、最悪の場合、エンジンが停止するおそれがあります。
対策:全車両、吸気側バルブスプリングを対策品と交換します。なお、交換に時間を要すため、年式の古い車両から順次交換します。
対象台数:4車種235,103台
引用:マツダ公式ホームページ
4車種20万台を超える大規模リコールが11月に発表されました。
自動車に使われている「レシプロエンジン」は、シリンダーと呼ばれる部屋に空気とガソリンを混ぜ、ピストンを上下することで圧縮させ、スパークプラグで爆発させた後に排ガスを外に排出する、この過程でエネルギーを得ています。
問題はシリンダーに空気・ガソリンを入れる「吸気」の過程で起こります。
吸気を行う「バルブ」と呼ばれるパーツのスプリングが弱いことでバルブがうまく閉じず、圧縮の不調が発生します。
圧縮がうまくいかないということはその後の過程もうまくいかないわけですから、エンジンパワーが得られなくなり、最悪の場合はエンジンが止まってしまうわけです。
エンジン内のパーツ交換が必要になるのである程度時間を要することから、年式の古い車順に順次交換を進めていくそうです。
平成30年6月14日のリコール
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/driving/economy/
不具合箇所:エンジン
状況:ディーゼルエンジンにおいて、エンジン制御プログラムが不適切なため、エンジンを停止させた際の僅かなエンジン回転を異常と判定し、エンジン制御コンピュータへの電源供給が停止しなくなります。そのため、スタート・ストップ・ユニットがスタータ回路の短絡と判定し、プッシュボタンスタートを押しても、電源ポジションがONに切り替わらず、エンジンが始動できなくなるおそれがあります。
対策:全車両、エンジン制御プログラムを対策プログラムに書き換えます。
対象台数:2車種23,208台
引用:マツダ公式ホームページ
CX-8、そしてCX-5のエンジンプログラムに関するリコールです。
クリーンディーゼルのエンジンプログラム内でのエンジン制御プログラムに何らかの不具合が生じており、そのプログラムがエンジン停止中伸び回転を「エンジン内部の異常」と判定します。
その結果エンジン制御コンピュータへの電力が遮断され、エンジンの始動が不可能になるという不具合です。
エンジンのプログラムをアップデートすれば改善される問題なので修理自体は難しくないでしょう。
ただし、こんな簡単なことで事故の可能性があるわけですから、やはり車は怖いものです。
平成30年3月8日のリコール
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/functionality/
不具合箇所:スピードメーター
状況:コンビネーション・メータにおいて、通信用プログラムが不適切なため、通信信号が送受信できなくなり、マルチ・インフォメーション・ディスプレイにアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート等のシステム異常が表示され、当該装置が機能しないことがあります。また、カメラの画像表示に切り替える操作をした場合でも、センター・ディスプレイにカメラの画像が表示されないため、車両の直前および直左等、周囲の状況が確認できず保安基準に適合しないおそれがあります。
対策:全車両、コンビネーション・メータの通信用プログラムを対策プログラムに書き換えます。
対象台数:1車種966台
引用:マツダ公式ホームページ
CX-8のコンビネーション・メータ(スピードメーター)に関するリコールです。
このメーターはインパネ中央部のマルチ・インフォメーション・ディスプレイといろいろリンクしており、様々な情報を共有することができます。
しかし、メーターのデータ送受信用プログラムに不備があり、通信信号が送信・受信できなくなることから双方のディスプレイに誤作動が発生する可能性があります。
例えばマルチ・インフォメーション・ディスプレイに自動ブレーキシステムの異常が誤表示されたり、バックモニターの映像が表示されなかったり、など。
表示されないくらいだったらいいのですが、自動ブレーキシステムの異常が誤表示されたことで自動ブレーキが作動しなかったり、カメラが使えないことで車両周辺の情報が確認できなくなることがあるのです。
それによって事故を引き起こしてしまうことは十分に考えられます。
プログラムの書き換えで回復するため、そこまで大規模な修理は必要なさそうです。
マツダCX-8の不具合とリコール対応状況まとめ
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/functionality/
さて、ここまでCX-8の不具合・リコールについてご紹介してきました。
CX-8は現状、多くの方々が該当するような不具合は出ていません。
また、上記3件のリコールも現在メーカーで対応中です。
つまり、メーカー側で発見した不具合については迅速に対応できていると考えてよいでしょう。
発見された不具合に対して迅速なリコール発表、そして修理体制の構築は、称賛されるべき行動ではないでしょうか。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/feature/design/
ここ数年、自動車業界の不具合が相次いでいますね。
三菱自動車のリコール隠し事件、フォルクスワーゲン社の排ガス不正問題、そして日産自動車元会長カルロス・ゴーン容疑者の逮捕など、枚挙にいとまがありません。
マツダも例外ではなく、2018年8月にスズキ・ヤマハと並んで燃費・排ガス検査での不正を発表しています。
これらの不祥事に伴って、自動車業界に対する信用は失墜してしまっているでしょう。
しかし、それらの信用を回復するには時間が必要です。
その時間を少しでも早めるためには、このようなトラブルに迅速かつ真摯に対応し、これまでと同じ過ちを起こさないことが必要ではないでしょうか。
ですから、マツダの迅速なリコール対応は今後の信頼回復のためにも必要不可欠なのです。
引用:http://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/accessories/
最初にも述べましたが、車は人の手が加わる工業製品です。
当然人間も完全体ではありませんから、今後も様々な車種で不具合・リコールは出てしまうでしょう。
そのようなときに迅速に対応し、防ぐことのできる事故をしっかり防いでいくことが大切です。
他のディーラーやメーカーがお互いしっかりこのようなトラブルに対応し、業界全体の信頼回復に努めていってくれることを願ってやみません。